《MUMEI》

「おー、いただいてます。」

風呂上がりのマロージャーにケーキを見せる。


「人麿さんありがとうございます。」


「Thank you.」

二郎達も俺に続いた。


「……よく入るな。」

素直じゃない。


「甘いものは別腹だし。」

くどくないから全然入る。


「女子のようだな。」

マロージャーが切り分けられたケーキを見つめた。


「飲む?だーりじん?」

小指を立ててカップを持ってみる?


「ダージリン。」

すかさず律斗が訂正してくる。


「……驚いた、息ぴったりじゃないか。」

しかし、マロージャーの顔は呆れている。


「ふふ、七生はすぐ仲良しになれるんで。」

二郎は誇らしげだ。


「仲良くないもん……」

律斗は不服なのか。


「白戸が完璧だっただけに律斗がギャップに苦しむと思っていたが。」


「あれ、マロージャー心配してくれたんだ、ありがとう!」

もっと嫌がられているかと思った。


「まろ……?」

やべ、つい頭の中の愛称を言ってた。


「まねーじやあー、な?」

ハッキリ口の形を見せて発音しとく。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫