《MUMEI》
二人の甘えん坊
「遅いよ〜ッ!」


「ごめんってばよ〜ッ!」


玄関開けるなり飛びついてきた裕斗を力いっぱい抱きしめる。
頬を擦り寄せあったりチューしたり、とにかく、いちゃこら約5 分。

瞼や頬にもキスしながら、いー子にしてたか?とか、寂しい想いさせてごめんな?とか、きっと本当は悪戯ばっかしながらちっとも寂しい想いなんかしてなかったであろう裕斗に俺は言ってみたかったからそう言った。






裕斗はオフが連続して続く時なんかはこうしてここに入りびたる。

リビングに入った途端目に飛び込んできたのはPS3、沢山のソフト、食いかけのスナック菓子、空になってそこらに散らばるペットボトル。

あと、脱ぎっぱなしの衣類、…下着もまで…


昨晩疲れをおして片付けた筈の部屋は一日で見事に荒んだ。
「今日はピザ取ったの、今チンするね?チンチンチ〜ン」

テーブルに、蓋も閉めず無造作に置かれた、冷えたピザの残り。
裕斗はそれを掴んだ。
「は〜、まあいいよ、それもう食わねーなら皿に移しとけな」
俺はゴミ箱を掴み、散乱したゴミを入れていく。

「もうとっといたのにん」

裕斗はテーブルの前に座り、冷えたピザを食べだした。

「…はあ」

本当雑なんだから…。





かと思えばまめな一面もある。

「今日は鼻毛切る日だよ?」

「え?そうだっけか?」

「そうだよ、ほらちょっと見えてきてる…」
裕斗は嬉しそうに俺の鼻の穴を覗いている。

「…、…お願いします」

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