《MUMEI》 ペンダント携帯のバイブがなる。 「純から電話だぁ」 「はい・・もしもし」 「絵麗那・・?」 「うん・・仕事終わった・・?」 「うん」 「純・・ペンダントありがとう・・。すごく嬉しい・・」 「本当・・?よかった・・」 「あたしだけが片想いみたいな感じじゃないかなって心配してたんだけど・・そんなことなかったんだね」 「うん、そうだよ。俺も大好きだから」 「うん」 「やっぱり・・幸せなんだなって思った・・俺・・」 「何で?」 「絵麗那とこうやって話せるし」 「うん・・アタシも幸せ。ねぇ・・純・・卒業したら結婚してくれる・・?」 しばらく沈黙が続いた・・。 「今の冗談だよ」 「そっか・・。嬉しかったけど・・結婚はできない・・」 「何で・・」 「絵麗那には普通の人と同じ人生を歩んで欲しいから・・。大学入るまではだめ・・」 「まだずっと先じゃん・・」 「でも・・俺は絵麗那のように若くないから・・そんなに長く生きられないかもしれないんだよ・・」 「うん」 「だから・・俺が死んでも生活していけるようにちゃんと仕事してちゃんとお金稼がないと」 「うん・・わかった」 「俺に出来ることだったら何でもするからね」 「うん」 「出来ることって言っても・・数学と理科教えるくらいだけど・・」 「じゃあ・・今度教えて」 「いいよ」 「純の部屋に行きたい・・」 「ダメ・・。誰かに見られたらどうするの?」 「見られたらいけないの・・?」 「そうに決まってるじゃん」 「あたしと一緒にいるところ見られるのが恥ずかしい・・?」 「そういうことじゃなくて・・」 「じゃあ何でよ・・・」 「学校の生徒と先生なんだよ・・」 「うん・・分かってる・・・・でも逢いたいんだもん・・」 「ごめんな」 先生は・・純はいつも大人だった―。 私には分からないことを全部知ってるみたいな・・。 私やっぱり子供なのかな・・。 前へ |次へ |
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