《MUMEI》 「ふーん…まあいいや…。」 奴等の目が怪しげに光った。 「ターゲットはまずは、お前だから。」 先輩を見据えて言い放つ。 「また卑怯な手使うんじゃないだろうな?」 「は? そんなのいつ俺が使ったって言うわけ?」 相手の一人が鼻で笑い飛ばす。 「自意識過剰も大概にしろよ。」 そんな奴等を前に、 先輩はぐっと押し止どまった。 「……行くぞ、賢史。」 「え…? は、はい!」 先輩に促されて、 奴等に背を向けた。 「試合……覚悟しとけよ。」 立ち去ろうとする間際、 風に乗ってそんな言葉が聞こえた気がした。 前へ |次へ |
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