《MUMEI》
テレビ局上陸☆
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そうこうするうちに、車はテレビ局に到着する。

テレビ局の建物は、映像で何度も見たことがあったが、生で見たのは初めてだった。

車の窓に張り付くようにして、一心にテレビ局を見つめた。


「…デカっ!!」


予想以上の建物の大きさに目を奪われ、つい言葉がもれる。
わたしの呟きを聞いて、廉が隣でほくそ笑んだ。


「…田舎モン」


ボソッと呟いたバカにする言葉に、わたしは廉の頭をバシッ!と殴る。
廉は殴られた頭を押さえながら、いってーな!と食ってかかった。


「フツー殴るか!?」


「アンタがバカにするからでしょ!」


「ホントのこと言っただけですー」


「なにをー!?」


狭い車内でわたしたちは再び、ギャアギャアと言い合い始めた。見かねて伊達さんは、いい加減にしなさいッ!と怒鳴った。


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