《MUMEI》 . そこでちょうど、エレベーターが停止する。 ドアが開くなり伊達さんは箱から飛び出して、外からドアを押さえる。 廉とわたしがエレベーターから降りると、彼女はまた箱の中に戻り、 「それじゃ、またあとでね!」 と、笑顔で手を振っていると、エレベーターの無機質なドアが、スー…と閉まっていった。 …。 ……。 ………スゲー。 なんかよくわかんないケド、 マネージャーって、忙しいんだなぁ。 伊達さんの勢いにア然として、ただただぼーっと廊下に立ち尽くした。 そんなわたしに廉は、 「楽屋、こっち」 と、わたしを促して歩き始める。 わたしは頷き返して、黙って彼のあとを追った。 ****** 前へ |次へ |
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