《MUMEI》 入学式の朝3「俺は寮長で、外部生である誠の事を、理事長と校長から頼まれている。 この寮で起こるトラブルを管理する立場でもある。 だから、へ…松嶋に付きまとわれて困っている誠を守る義務がある」 そっか 「迷惑かけてごめん、虎之介先輩」 「いや、そんな事は全然無い」 「でも」 「…それって…おかしくない?」 …え? 松嶋の声は低く、笑顔は消え、無表情だった 「どういう意味だ?」 「いい顔に、誤魔化されないよ、タイガー」 「どういう意味だと訊いてる」 変態発言を無視して、虎之介先輩は『いい顔』 変態を睨んだまま、もう一度質問した 「だーって、僕はまだせー君に何にもしてないし!そんなに、寮長が警戒しなくてもいーじゃん それに、おエライさんが頼んだのは、どーせマニュアル通りの案内や説明だけだろーし! タイガー、せー君と一緒にいたいだけなんじゃないのー?」 「な!」 「真っ赤になっちゃってあーやーしー」 「おい、いい加減にしろよ」 確かに仲良くはなったけど、変態の言い方は、まるで 虎之介先輩が俺を好きみたいな感じだった 前へ |次へ |
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