《MUMEI》

「……少し貴方のこと誤解してました。」

服の乱れを直しつつ、社長が俺に握手を求めてきた。

「は、はあ。」


「その手で木下君に触らないでくれたまえ。」

社長の手が美作に払われた。


「そうだな、木下っちをそういう目で見るだなんて最低だな!」

背後に回って社長を羽交い締めた。
そういうって、どういう目だろうか。


「あっ、意外と鍛えてる。なんか恥ずかしい言葉とか書いてやろうかな。」

なんてノリノリなんだ美作……。


「いやだあああああ!」

社長の腹を捲くり上げられて絶叫してる姿が哀れだ。


「おい、そのへんにしとけよ……。」

いい年して何してるんだか。


「なんなんだ、君達!」

社長はあくまで強気だが俺を盾にしている。
庇護欲を掻き立てるな……世の女性はこういう男性に弱いのだろうな。


「はい、なに書こうか?」

美作が突然、社長の乳首を塗り潰し始めた。


「ギャアアア!」


「俺的には×××(自主規制)とかいいんじゃないかと?」

止めてやれ……。


「ギイアアアアアアア!」


「ギャランドゥ〜足して〜」

内館の要求に美作は社長の臍の下へ書き足してゆく。


「……社長……すみません。昔からこういう奴らなんです。」

俺の声は本気の彼等には伝わらない。

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