《MUMEI》
入学式の朝5
俺と虎之介先輩の叫びに、変態は、…


ハアハア言いながら、前のめりになり、動かなかった


変態の身体に何が起こったかは、…


考えねー


つーか、考えたくねー!!


「何とか、…なったな」

「ありがと、虎之介先輩」

「いや。しかし…お前も厄介なヤツに好かれたな。アレはしつこいぞ」

「ハハ…」


…明日から、どうしよう


「おまけに、生徒会の連中にも好かれたみたいだし」

「はぁ」

「大変だな」

「まぁ、…頑張ります」

「できるだけ、俺も守るよ」

「いや、いーですよ」


虎之介先輩は忙しそうだし、何と言っても受験生だし


「…守りたいんだ、俺が」

「へ?」


二人きりのエレベーターの中


虎之介先輩は、真剣な表情で


俺の手を握りながら、告げた


「お、俺。こー見えて強いから、大丈夫…」

「でも…」

「そ、それに、ほら、俺男だし!」

「あ! そ、そーだよな!ごめん! あ、あの俺、誠の事大事な後輩だと思ってるから!それでだから!あの、俺ノーマルだから!だから!」

「う、うんわかってる!」


わかってるから落ち着いてくれ!

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