《MUMEI》
入学式の朝6
それから、俺と虎之介先輩は、寮の玄関までやってきて…


「皐月。大丈夫だからな」

「うん。信じてる、和彦」

「鳳凰寺様!僕、鳳凰寺様一筋ですから!」

「ぼ、僕も!」

「ありがとう、皆」


…奇妙な光景に、出くわした


えーと、この状況は、何、かな?


皐月と和彦は熱い抱擁をかわしてるし


鳳凰寺は、可愛い小さい男の子達に囲まれていた


それに、よく見ると、似たような光景が、ちらほら見えた


「中等部校舎はここから遠いからな」

「それで、この騒ぎ?」

「まぁ、…不安なんだろ、いろいろと」

「はあ」


スゲーな


そして、和彦等中等部の生徒達は、スクールバス


とはとても思えない立派なバス数台に、分かれて乗り込んだ


つーか歩けよ!


「変態が来る前に行くぞ」

「あ、うん」


虎之介先輩に引っ張られ、高等部校舎へと走り出す


さすがにこっちは近いから、車なんて…


「早くしろよ!オメー等」





俺達を、真っ赤なリムジンが追い越す


怒鳴ったのは、バ会長


そりゃ、森から高等部までは遠いけどさ


歩けねー距離じゃねーだろ!

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