《MUMEI》
入学式準備
入学式会場は、…イベント専用ホールだった


「つーか体育館でいーじゃんか」

「そうすると、ものすごく巨大な体育館が必要だろ?」

「別にいーじゃん」


いろんなスポーツできる体育館作れば


「うち、体育館使う部同士仲良くないんだよ。

だから、体育館それぞれ専用のあるし」

「無駄遣いじゃね?」

「各部の親が出した金で建てたらしいし、ここ敷地広いから」

「あっそ」


何か本当に次元違うなー


「…二人とも、足早いな」
「「鳳凰寺」」


振り返ると、鳳凰寺が爽やかな笑顔を向けた


騙されるな、俺


コイツはムッツリだ


俺は無意識に鳳凰寺と距離をとった


「ここからは俺と行くぞ、高橋」

「…」

「そう警戒するな。つーか、一緒に来てくれ。頼む」

「どーした?」


弱気な鳳凰寺


「…行ってやれ、誠」


虎之介先輩は原因がわかったようだった


「あぁ。じゃあ、先輩」

「あぁ。また。帰りも一緒に帰るからな」

「いや、それは」


悪いし


「気にするな」


虎之介先輩は、そう言って、その場に残り俺達を見送っていた

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