《MUMEI》
『LE FOU』のメンバー
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本を読んでいた男はゆったり顔をあげると、楽屋に入ってきた廉の姿を見て、眉をひそめた。


「なぁんだ、【レン】か」


明らかに残念そうな声で呟いた男に、今度は廉が眉をひそめる。


「『なぁんだ』って、なんだよ?ずいぶんだな」


皮肉りながら彼はズカズカと、部屋の中央まで入る。

空いているソファーの上に、学校のかばんをぞんざいに置く廉に、向かいのソファーに座っているもうひとりの男は、顔すらあげず、ひたすら携帯をいじっていた。
廉に興味がないのか、熱中しすぎて気づかないのか…。
しかし、廉は慣れているようで、取り立てて彼に文句を言うことはなかった。


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