《MUMEI》 . ダークブラウンの髪の男は、廉の方を見て笑った。 「どこぞのアイドルちゃんが、俺に会いに来てくれたのかと思って期待したのに」 冗談めいた口ぶりに、廉は呆れた顔をする。 「…お前、そんなんばっかじゃん」 イヤミたっぷりの廉の言葉を気にするそぶりも見せず、彼は廉の格好を今一度眺めて、首を傾げた。 「てか、なんで制服?それ、今日の衣装?」 茶化された廉は、バーカ!と毒づきながら男を半眼で睨む。 「衣装なワケねーだろ。学校から直で来たんだよ」 不機嫌になった廉を面白がるように、男は笑い、それから廉に近寄って制服をまじまじと見た。 「コレが、例の新しい学校の制服か〜」 似合ってるよ、と取って付けたように褒める彼に、廉は、うるせー、と取り合わない。 . 前へ |次へ |
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