《MUMEI》 小悪魔とのキスオレがアイツをはじめて見たのは、…よりにもよって、男とキスをしているところだった。 資料室に用事があったオレは、引き戸を開け、そのシーンを見て…。 「ぎっ…ぎゃーーーっ!」 …学校中に響き渡るような悲鳴を上げ、逃げ出した。 その話を言ったら、友人達は苦笑した。 アイツは軽くて有名。別名・『小悪魔』と呼ばれている。 キスなんて軽いって言われた…。 けれど実際、目の当たりにしたのはオレなので、同情して優しくしてくれた。 オレは…しばらく立ち直れなかった。 ウチの学校は男子校。そういうのが、いないことはないだろうとは思っていたんだけど…。 実物を目の当たりにすると、ダメージがでかい…。 アイツはキレイな顔をしていた。 だから同級生に限らず、先輩・後輩、果ては教師にまで…というウワサを聞いた。 …何も学校でしなくても…。 駅前に行けば、ホテルがあるのに…。 まあ学生だし? 金が無いのは分かるんだけどさ。 オレが騒いだせいで、アイツは教師から呼び出されたみたいだ。 だけど…関係を持っている教師がいたせいかおかげか、ほとんど無罪放免。 ……何か間違っていないか? でも友人達は、もう関わらない方が良いと言った。 オレ達とはある意味、生きている世界が違うのだと…。 オレもそう思った。 だからあえて近付こうとは思わなかったのに…。 次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |