《MUMEI》 カッとアイツの顔が真っ赤に染まった。 バチンッ! 「いっ…てぇ」 思いっきり、ビンタされた。 いや、グーじゃないだけ、まだマシか。 「…図星つかれて怒るぐらいなら、もうちょっとマシな恋愛しなよ?」 「キミに何がっ…!」 「…うん、でも」 オレは手を伸ばし、アイツの頬に触れた。 「傷付いた顔してる」 ビクッと体が震えた。 …こんなにキレイな顔と肌をしているのに、心はズタズタだ。 「自分を幸せにする恋愛、見つけた方が良い。いろいろな人と付き合うってのも勉強だろうけど、もう…いいだろう?」 頬を撫でて、オレは手を離した。 「あっ…」 「…じゃな」 オレはそのまま資料室を出た。 「ふぅ…」 関与しないと言いながらも、思わず説教してしまった…。 「いつっ…」 口の中が軽く切れていた。 …やっぱり男だよな。 キレイだけど…。 って、いかんいかん! 男は恋愛対象じゃないって思っていたのに…アイツなら、案外アリかも?ってちょっと思ってしまった。 キスも…イヤじゃなかったしな。 前へ |次へ |
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