《MUMEI》
その@【シュン】
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それから廉は男を振り返り、わたしを指さして、えーと…と、言葉を探しながら紡ぐ。


「コレ、今の学校の知り合い…宇佐美 仁菜サン」


わたしは黙ったまま、ペコッと会釈だけすると、男は、ニコッと爽やかな笑顔を返した。


「初めまして、【浅井 駿】です。これでも一応、『LE FOU』のリーダーやってます。【シュン】でいいよ」


よろしく、と右手を差し出してきた。どうやら、握手をしてくれるらしい。

わたしは、その手を握ってもいいのかどうか悩み、チラリと廉の顔を見遣る。

廉はわたしの視線を受け取ったものの、そっぽを向いて肩をすくめた。勝手にしたら、という感じだ。


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