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《MUMEI》 . わたしがそろそろと手を出すと、【シュン】は躊躇いなくわたしの手を取り、ギュッと握りしめた。 その力の強さと、手の平のあたたかさに、わたしはビックリする。ガラにもなく、胸がドキドキしてしまう。 【シュン】は握手しながら、わたしに、その整った顔を近づけると、パッと顔を輝かせる。 「すっげー美人！キレイな顔してるねー！！」 華やいだ声で言ってから、わたしの姿をじろじろ見る。 いきなりお世辞を言われたので、わたしは引き攣った笑いを浮かべて、とんでもないっスよ、と早口で呟いた。 そして、いまだ【シュン】に握られている手を払おうとする。これ以上、【シュン】の手に触れていると、心臓が爆発しそうだった。 . 前へ |次へ |
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