《MUMEI》 . しかし、【シュン】はわたしの手を離すことなく廉の顔を見た。 「なに??この子、『学校の知り合い』って、クラスメート?」 レベル高くね?と、ワクワクした声で尋ねる。 『レベル』ってなんだよ…と、心の中で毒づきながら、わたしは【シュン】の手から逃れようと必死になる。 廉は、そんなわたしに気づくこともなく、【シュン】に向かって、どこが!?と吐き捨てた。 「よく見てみろよ、フツーの一般人だろ。この程度、街にゴロゴロいるって」 廉の極めて失礼で、素っ気ない態度に怒りを覚えた。 ………『ゴロゴロ』って!! 当たり前じゃん!!わたしは庶民なんだよっ!! てか、『一般人』でなにが悪いッ!! この国のほとんどは、その『一般人』たちで成り立ってんだよッ!! . 前へ |次へ |
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