《MUMEI》

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全身全霊で廉を睨みつけたわたしに、

【シュン】は、え〜??と首を傾げながら、振り返った。


至近距離で、【シュン】と、バッチリ目が合う。


体温が上がり、カァッ!と血が逆流するような感覚に陥る。重ねて、動悸も激しくなった。



………なにこれッ!!

どうしよう!!どうしたらいいのッ!!

つーか、

手、離してッ!死ぬッ!!



真っ赤な顔でパニクるわたしをよそに、【シュン】はやっぱり手を離さず、のんびり言う。


「カノジョ、相当キレイだと思うけどなぁ〜。廉、見る目、無さすぎ」


ねー??とわたしに話を振ってきたが、わたしはやっぱり笑顔が引き攣ってしまった。

それどころではない。一刻も早く、手を振り払いたい。

それだけだった。


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