《MUMEI》

一方でドキンちゃんは、コピー版トカレフの銃心らしき機械部品を手にとり、歪みが無いか肥えた目つきで確かめてゆく――…。



ドキン「あとは70年代の拳銃さえマシになれば、言うこと無しね…(笑)」



ドキンちゃんは拳銃のパーツを木箱に戻すと、旧共産圏の銃機の技術水準の程度に、チクリとした皮肉を絡めながら笑っていた。



ボルシチ「見劣りする分は、きちんと売却価格に反映してあるぜ…。


…これ以上、虐めないでくれ…(笑)」



二人のロシア人は、苦笑いで返すほかなかった――…。



そんな駆け引きを繰り広げながらも、マフィア同士の洋上取引は、つつがなく執り行われていった。



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