《MUMEI》

「ふぅ〜...」



学校での練習が終わり、


夜練の移動の前に休憩を取っていた。


部室では2・3年が汗だくのTシャツを脱ぎ、


上半身裸で横になっていた。



「疲れた…」



思わず関谷がそう漏らした。



「…椎名〜、
ジュース買ってきて〜。」



「…嫌っす。」



「お前後輩だろ〜。」



「今動きたくないす…
関谷さん自分で買って来てくださいよ…」



「あ〜、


行きたくね〜。


千秋〜。」



「俺も動けないっす…」



「なんだよな〜、
じゃあ皆でジャンケンな。」



「何でそうなんだよッ!!
自分で行けよッ!!」



全員が一斉に突っ込む。



「わ〜かったよ。


冗談だよ。


冗談ポイだよ。」



「何だ冗談ポイって?」



「さぁ?」



関谷が制服のポケットから財布を取り出し部室を出ようとする。


が、



「待って。
金渡すから俺のも。」



「俺も。」



「金ないけど俺のも。」



「俺宝払い。」



「自分も…いいすか?」



「結局かよ!!
ジャンケンで良かったじゃね〜かッ!!」



全員の申し出に関谷がそう突っ込む。


そんな関谷に、



「…」



無言で小銭を渡す村木。



「お前もッ!?」

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