《MUMEI》
キセノンの診察
キセノンは持参したトランクから医療器具を取り出し、まず、エアーの健康状態をチェックした。


結果は、良好


排泄行為が全く無いとはとても思えないほど、エアーは健康だった。


それにしても、よく、似てる…


キセノンが驚いたのは、エアーがキセノンが知る『ある人物』に瓜二つだったからだった。


でも、この子は、『あの人』じゃない


キセノンが知る『あの人』は、こんな無表情ではなかったし


こんなに若くもなかった。


他人のそら似にしては似すぎてる、けど


『あの人』の血縁者は、息子だけだったはずだ。


それでも、一応調べてみようかしら


ネオンはエアーの身元がわからない事に、焦っているようだったし


そんな気持ちから、キセノンはエアーの血液を採取する事にした。


「ちょっとチクッとするからね」

「…」


痛みはちゃんとあるのね


エアーの表情の変化を観察しながら、キセノンは血液を採取し、専用ケースに閉まった。


そして、アルゴンとネオンを呼び戻し、エアーの体調が問題無い事を伝えた。

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