《MUMEI》 . つれない【ユーゴ】の態度に、【シュン】は不満そうな顔をする。 「ちゃんとこっち見て言えよ〜。カンジ悪いぞー。自己紹介くらいしろー」 リーダーらしい呼びかけにも、【ユーゴ】は無関心のようで、携帯の画面から目を離さず、うーん…と生返事をするばかりだ。 【シュン】は諦めるようにため息をつき、わたしの顔を見てニッコリする。 「ゴメンね仁菜ちゃん。アイツ、いつもあんな感じだからさ」 そう言って、彼は繋いだままのわたしの手を、再度ギュッとする。それに反応して、わたしはまた、ドキドキしてしまう。 わたしの様子に、気づいているのか、いないのか。【シュン】はほほ笑んだままで、 「アイツは【上杉 悠吾】、『超』が付くほどマイペースだけど、根は良いヤツだから」 許してやって、と囁いた。 【シュン】のキレイな顔と、 手の平から伝わる温もりと、 優しく囁いた甘い声に、 ………意識が、遠退く。 . 前へ |次へ |
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