《MUMEI》















「ふぅ…」



1人、


ゆっくりと風呂に浸かる恭介。


彼もまた、


クロたちと同じ道を選んだ。


夜練にはほとんど参加していないが、


普段は赤高の練習に混じり、


また、


自分自身が所属する海南クラブの練習にも出ている。


バイトもしていない彼にとって、


それはある種就職活動の一貫。


先のことは、


わからない。


他人が彼の道をどう思うだろう。


恐らくそのほとんどは、



『無謀』



という言葉をかけるだろう。


しかし彼は、


それでもその道を選んだ。


そして…



(あいつらのメニュー考えなきゃな…)



いつしか彼も、


赤高の優勝を夢見ていた。

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