《MUMEI》

『なんだよ、コクら
れたら、好きになっ
たってヤツか?』

少し馬鹿にした様に
笑う昌也に、『まぁ
そんなとこかな』と
笑って頷いた。


『それよりさ、新し
いゲームあるんだ、
俺ん家に寄れよ!』


『うん、うん!』

2つ返事で頷く僕は
その時、気付いてい
なかった。


意味ありげに、僕を
見詰める昌也の視線
に……。

‡‡‡‡‡

通い慣れた昌也の部
屋で、暫くは何時も
様にゲームをして過
ごした。


新作の対戦ゲームの
ソレは昌也の圧勝で
…何度やっても僕は
勝てなかった。


大体、僕は何をやっ
ても昌也に勝った試
しが無い。


勉強だって、運動だ
って、容姿だって…
総てに於いて昌也が
秀でている。


昔は、そんなに差が
ある訳じゃ無かった
んだけど…最近特に
大人びて来て、子供
扱いされてしまう。

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