《MUMEI》

いつもより長く感じる通路を通り抜けると、
既にフランスチームがスタンバイしていた。


両者コートの中央に整列し、向かい合う。


その中には、
先程先輩にいちゃもんつけて来た奴等がいた。


奴等は挑発的な視線で、先輩を見つめている。


嫌な奴やな……。


何かを企んでいるような眼差しに、
本気で嫌気がさした。


すると奴等のうちの何人かが俺に気付いたようで、
視線だけをこちらに向けて来た。


ゾクッ!!


俺は開始の礼をするのも忘れる程、
その場で凍り付いた。


奴等の目には殺気が宿っていたんだ。


うっすらと微笑をたたえて……。


一瞬周りの音と言うものを感じなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫