《MUMEI》

先にボールを制したのはブラジルチーム。


「賢史、上がるぞ!!」


「はい!」


先輩のいつも以上に気合いの入った声が轟く。


俺は必死で先輩の後を追った。


先輩がパスしやすいコースをキープしながら、
ひたすら駆ける。


先輩なんかに良いとこ持ってかれて堪るか!


純粋にサッカーを楽しんでいた。


まだまだ試合は序盤。


終わりを知らない声援が、
コート全体を包み込む。

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