《MUMEI》 「も〜ホント、ビックリしたんだぜ? 俺がいない時に倒れるなよ」 無茶言うなよ! こっちだってこんな体質、イヤになってんだから! 「ホント、心配で目が離せないって言うかさ。俺、いっつもお前のこと考えてるんだ」 知るかっ! …と言っても、そうなった理由はオレにあるワケで…。 思い起こすこと高校の入学式。 入学式には耐えられた。 けれど教室へ向かう途中で耐えられなくなって、倒れかけたところで、コイツに支えられた。 『大丈夫!?』 …その後、よりにもよってお姫様ダッコで保健室まで運ばれた。 回復した後、礼よりも先にゲンコツをくらわせたのは言うまでもないことだ。 その後、縁があったのか。 1年、2年と続いて同じクラス。 そして委員を決める時、コイツは保健委員に立候補する。 …まあ理由は分かるけど。 「…俺、どーしよ? お前のことを心配しすぎで、これからのこと考えらんねーよ」 知るか! お前の成績が悪いのは、オレのせいじゃない! 怒鳴りたい気持ちを押さえ、目を閉じ続ける。 「……そんでさ。こんなに心配になるなら、いっそのこと、ずっと一緒にいようかと思ってさ」 ぎしっ…とベッドが軋んだ。 「ずっと…お前の側に」 前へ |次へ |
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