《MUMEI》 . −−−剛史は、無口だ。 『寡黙』、というより、『無口』。ホントに必要最低限にしか、しゃべらない。 ヒトと話すのが、得意じゃないのだ、と、まえに言われたことがある。 付き合って3ヶ月経った今も、それは変わらない。 剛史は、わたしの少し先を歩いていたけれど、急に速度を落としてゆっくり歩き、わたしの横に並んだ。 わたしは、チラリと剛史を見上げる。 剛史は、わたしのことは見ていなかった。彼の横顔をただ、じっと見つめる。 −−−剛史は、無口だけど、 こんなふうにいつも、傍にいてくれるし。 . 前へ |次へ |
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