《MUMEI》

.

−−−剛史は、無口だ。


『寡黙』、というより、『無口』。ホントに必要最低限にしか、しゃべらない。

ヒトと話すのが、得意じゃないのだ、と、まえに言われたことがある。


付き合って3ヶ月経った今も、それは変わらない。



剛史は、わたしの少し先を歩いていたけれど、急に速度を落としてゆっくり歩き、わたしの横に並んだ。

わたしは、チラリと剛史を見上げる。

剛史は、わたしのことは見ていなかった。彼の横顔をただ、じっと見つめる。



−−−剛史は、無口だけど、

こんなふうにいつも、傍にいてくれるし。



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫