《MUMEI》 . 不意に、剛史が振り返って、わたしの目を見た。 「今日も、ウチ来る?」 わたしは、瞬く。 剛史が、自分の家に誘うときは、 たいてい、エッチになだれ込む。 ………それは、イヤじゃない。 剛史のことは、大すきだし。 わたしはもう一度瞬いて、うん、と頷いた。 ****** ………わたしにとって剛史は、『初めて』のヒト。 初エッチは、めちゃくちゃ怖くて、すごい不安だったけど、 「大丈夫??」とか、 「痛い??」とか、 わたしのことを気遣かって、 いつも、優しくしてくれるし、 剛史にギュッて抱きしめられる度、 『わたしって、大事にされてるんだなァ』 って、思ってた。 でも、 昨日−−−。 . 前へ |次へ |
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