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《MUMEI》 . 剛史は困惑したようで、どしたの？とわたしの肩に手を置いた。 「なんで、泣いてんの？？」 優しく尋ねてきた彼に、 「…別れる」 わたしがすかさず、返した、言葉。 −−−それを、口にした途端、 熱い涙がブワッと溢れ出す。胸がヒリヒリ痛んだ。 わたしはこぼれ落ちる涙を指で拭いながら、別れる、と繰り返した。 「もう、別れる…ムリだよ」 剛史は、しばらく黙っていた。わたしの肩に手を置いたまま、なにも言わなかった。 沈黙が続いたあと、 「ちょっ……えッ？？なに、鼎？？」 ようやく、剛史が呟いた。 混乱しているのか、この状況を理解出来ていないようだった。 . 前へ |次へ |
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