《MUMEI》
柏木サンの話
.



どれだけ泣けば、いいのかな??


どうして胸が、苦しいの??




メソメソ、泣いていると、


「あれ??カナエちゃん!?」


不意に声が聞こえて、わたしは顔をあげた。


−−−公園の入口に、


ビックリ顔の柏木サンが、

男の子を連れて、立っていた。




………だれ??

まさか、今カレ??




わたしが黙っていると、彼女は男の子を連れてわたしの傍までやって来た。

泣き腫らしたわたしの顔を見て、どうしたの??と首を傾げる。


「剛史に、泣かされた??」


わたしはやっぱり、答えなかった。

柏木サンは続ける。


「アイツ、マジでバカだからさ、カナエちゃんのこと、わたしに相談してくるんだよね」


彼女の台詞に、わたしは眉をひそめる。


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