《MUMEI》 ナンパ. チャラチャラした、頭のわるそーな男がふたり。 ニヤニヤしながら、わたしを見つめる下世話な目つき。 わたしの心が、一瞬にして、嫌悪感で満たされる。 「…離してください」 今は、剛史を探さなきゃいけないのに。 早く仲直り、しなきゃならないのに。 お願いしたけど、相手は取り合わなかった。 「ちょっとご飯食べない?」 「すぐそこの店、俺の知り合いがやってるから」 口々に言葉を連ねる彼らに、わたしは怯んだ。 ………どうしよう。 話、聞いてくれないよ。 困り果てたわたしのもとに、 「なにしてんだよッ!!」 大声で怒鳴り込んできた、男。 . 前へ |次へ |
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