《MUMEI》 . 振り返って、その姿を見、 目を見張る。 「……剛史?」 激しく肩を上下に動かして、 息を切らせて駆け込んできた、剛史。 彼は、ナンパ男たちをギロリと睨みつけると、すかさずわたしを掴んでいる腕を乱暴に振り払う。 「俺のオンナに、なんか用?」 押し殺すような低い声で唸ると、その気迫に怯えたのか男たちは、バツが悪そうに、いそいそとわたしたちから離れて行った。 「剛史…」 未だ、彼らの背中を睨みつけている剛史に、あの…と、怖々声をかけてみると、 ジロリと、冷たい一瞥を与えられた。 かなり怒っていると、すぐわかる。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |