《MUMEI》 話し合い. 剛史のお部屋には、異様な空気が立ち込めていた。 わたしはベッドに腰掛けて俯き、 剛史は床に座ってわたしを睨みつけている。 ふたりとも、なにも言葉をかわさないまま、時間だけが過ぎていく。 耳が痛くなるような沈黙を、 先に破ったのは、剛史だった。 「なんなの、いきなり」 それだけ呟く。わたしは顔をあげ、え??と間抜けな声を出した。 剛史は相変わらずわたしを睨んだまま、続ける。 「『もう、ムリ』、『別れる』って、なに??俺、鼎に、なんかした??」 わたしは瞬いた。 それから、胸が潰されるように苦しくなった。 . 前へ |次へ |
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