《MUMEI》 . 不思議顔のわたしをよそに、伊達さんは廉たちに顔を向けると、 「それじゃ、わたし同伴しないけど、真面目にリハやるのよッ!」 監督者らしい発言に、彼らはまた、はぁい…とやる気なく返事をした。それぞれバツが悪そうに、そっぽを見ている。 伊達さんは、ふぅっ!とため息をつくと、わたしの顔を見て、 「それじゃ、行きましょうか!」 笑顔で声をかけると、さっさと楽屋から出て行った。わたしは、彼女の後ろ姿を追いかけながら、一度、廉を振り返る。 廉は、わたしのことを、じっと見つめて、 微かに唇を、動かした。 −−−また あとで 確かに、そう動いたのを見た。 ………『また あとで』って、 なに?? 理解出来なかったわたしは、廉になにも答えず、ただ瞬きをすると、 再び顔を背けて、急いで楽屋から外へ出た。 ****** 前へ |次へ |
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