《MUMEI》 . 楽屋を出ると、わたしは伊達さんに、テレビ局内にあるティーラウンジへと連れて行かれた。 ラウンジと言っても、そこには数台の自動販売機と、 大きなソファーが置いてあるだけの素っ気ない造りで、 単なる休憩所のような所だった。 「ごめんなさいね、こんなところしかなくって」 伊達さんは自販機でテキトーに飲み物を買いながら、わたしに言った。わたしは首を横に振る。 「ハイ、これ、おごりね」 彼女は自販機から紙コップを2つ取り出すと、その片方をわたしに差し出した。コーヒーの良い香りが、鼻孔をくすぐる。 わたしはお礼を述べてそれを受け取ると、伊達さんはわたしにソファーへ座るように言った。 言われた通り、ソファーに座ると、伊達さんもわたしの隣に腰をおろす。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |