《MUMEI》
予想外の言葉
.

買って貰ったコーヒーに口をつけるまえに、

伊達さんが口を開いた。


「確か廉とは、クラスメートだったわよね?」


いきなり尋ねられてビックリしたが、わたしは頷く。それを確認して、伊達さんはなにかを噛み締めるように、そうよね…とひとり、呟いた。


ナゾの沈黙がわたしたちを覆う。


いたたまれなくなったわたしは、紙コップに唇を寄せて、温かいコーヒーを口に含んだ。


そのとき、

突然、伊達さんは言った。


「…ふたりは、付き合ってるの?」


想像もしていなかった言葉に、わたしはついコーヒーを吹き出す。

そのままゲホゲホと咳込んでいると、伊達さんは慌てたように、大丈夫??と背中をさすってくれた。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫