《MUMEI》 . 伊達さんは俯き、ため息をつく。 「あの子、プライベートと仕事ははっきり分けてるから、そういうことは一切なかった。ご家族だって、楽屋に連れて行ったこともないのよ」 ………廉の性格上、 あれだけ、『庶民』とバカにしているくらいだから、ただのクラスメートを仕事場に呼ぶことがない、というのは、なんとなく想像が出来たけれど、 まさか、家族すら立ち会うことをさせてないなんて、意外だった。 黙り込むわたしをよそに、彼女はコーヒーを一口飲んで、言う。 「だから、初めて廉があなたを連れて来たとき、『まさか』と思ったの。しかも、女の子でしょう?これは、フツーじゃないなって」 わたしは曖昧に、はぁ…と頷く。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |