《MUMEI》

.


………まぁ、あのときは、半ばムリやりでしたけど。



心の中でぼやいていると、

伊達さんは、こんなこと言いたくないんだけど、と前置いて、低い声で続けた。



「もう、あの子に…廉に、関わらないで欲しいんだ」



わたしは、瞬いた。一瞬、言っている意味がわからなかった。



『関わらないで欲しい』



紙コップを握りしめ、どういうことですか?と尋ねると、

伊達さんはわたしから目を逸らし、言った。


「廉は、あなたと違って『立場』があるの。しかも、相当特別な、ね」


「でも、わたしたちはクラスメートで…」


自然に、ごく自然に反論する言葉が出てきて、自分自身、ビックリした。



………なんでわたし、慌ててんだろ??



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫