《MUMEI》
明日の約束
    〜麗羅視点〜


真星と向き合ってご飯を食べいると、真星が口を開く。


「麗羅はさ、中原くんのこと好きなんだよね?」


「好きだよ」


今更な質問に、当たり前と言わんばかりに答える。


「恋愛感情で?」


真星の次の言葉に、私の心臓がビクリと跳ねる。


動揺したのが真星に伝わらないように、軽く息を吐きながら答える。


「違うよ。


それに歩だってもう私のことそんな風に思ってないと思うし・・・」


自分で言った言葉なのに心にズシンと、重たい岩が降ってきたみたいに息苦しくなった。


「えっ、それ本気で言ってるの?」


真星は、目を見開き何度かまばたきを繰り返す。


だって歩は、私と居るより小湊と居た方が楽しそうだし


・・・なにより幸せそう。


それに人の気持ちが冷めて、移り行くものだってことは

痛いほど理解してる。


みんなみたいに人を惹きつける魅力がない私を


傷付けて、悲しい顔させてばかりな私を


ずっと好きでいてくれるはずない。


真星の質問に答えられず視線を下に落とす。


「麗羅、今日は蝶野さんの家に行くんだよね?


じゃあ明日、帰りにカフェ行かない?」


視線を真星に戻すと、真星はニッコリと微笑んだ。


「おしゃれなカフェがあって、前から行ってみたかったんだよね。


そこでならゆっくり話も出来るしさ」


真星は何でこんなに優しいのかな?


「私も行きたい。


ありがとう。」


真星の誘いにのり、私も真星に笑顔を向ける。


残りのお弁当を食べながら、真星は明日いくカフェの話をしてくれた。


スウィーツに力を入れている店で、30種類以上のケーキやタルト、プリン、様々なスウィーツがあるらしい。


「明日楽しみだね」


お昼休みの終わりを知らせるチャイムを聞き、真星は笑顔で自分の席に戻って行った。

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