《MUMEI》

「ナイッシューッ!!」



部活が始まっていた。



「クロさ〜ん。」



「ん?」



「あの…
今日の夜練のことなんすけど…」



「あぁ、


さっき安本さんから聞いたよ。


明日送行式だからユニフォーム取りに帰んなきゃなんないんでしょ?」



「そうっす。」



「いいよ。


なんだかんだ言っても学校行事は大事だし。


今日は夜練なしッ!!


ゆっくり休んで。」



「おっす!!」













夜練がない。


これはクロたちにとっても好都合なことであった。


というのも、


今日は海南クラブの練習日であったからである。


自分たちの練習もしなければならない日には、


どうしても目が行き届かない。


海南クラブの練習に連れて行くことができれば手っ取り早かったが、


練習場所が海南高校。


他校で行う時間に夜から始まる赤高の選手たちを連れていくことができなかった。













「ところでさユキヒロ?」



「はい?」



「明日の送行式って何時から?」



「あ〜っ…と、
確か6時間目の授業の時間を使うはずです。」



「そかそか。」



「何でですか?」



「いや、別に〜。」



「?」

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