《MUMEI》
入学式受付6
「はい、没収」

「えぇ!?」


いや、『えぇ!?』って


いくら校則比較的自由でも


…ムチはヤバいだろ、ムチは


「靴を注意しないだけいいと思って下さいね」

「これは普段から履いている靴です」


普段からそんな…


踏まれたら確実に痛そうなピンヒール履いてんだ


俺ならコケるな、確実に


「とにかくムチを!」

「あなたのお相手は、身体的苦痛より精神的苦痛の方が効きますよ」


…お相手ってまさか


「それは知ってるけど!ムチも使いたいの」

「だからって常に持ち歩かなくてもいいでしょう」

「持ってないと落ち着かないのよ!」

「「あ」」


密かに様子を見ていた俺と虎之介先輩の目の前で、その女子生徒は、無理矢理黒崎先生からムチを奪い返した


「変態の相手は変態ですね…」


ため息をつく、黒崎先生


「じゃあ、あれが松嶋の…」

「変態の…」

「えぇ」


俺達三人は、呆然としていたが、周りの女子生徒は慣れているらしく


『相変わらずね』なんて言っていた


…いいのか!? それで!

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