《MUMEI》

スタスタと教室を後
にする、翠を追いか
けるラインハルト有
栖川。


『…ングッ!!』

と…突然、翠の口に
何かが侵入して来た


『ハーイ、煮干しデ
ース!ミドリ、イラ
イラしてますネ、カ
ルシウム不足デース
!沢山ありマスから
食べるですネ!!』

何故か、ポケットの
中に煮干しを持って
る変な男、ラインハ
ルト有栖川。


翠は深い溜め息を吐
いた。

‡‡‡‡‡


『ハイ、ミドリ、ア
ーンして下サーイ!


裏庭の木の下で、ラ
ンチタイムな二人。


ラインハルト有栖川
手作りの弁当には、
和食中心の如何にも
手の込んだ料理が並
んでいる。


牛肉の時雨煮、根菜
の吹き寄せ、白和え
鰻巻き卵、ごま豆腐
等々……。


…コレを1人で作っ
てるのか?ラインハ
ルト有栖川?

翠は、目の前で細い
目を更に細めて笑う
男を見つめた。

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