《MUMEI》
構わないよ
.


伊達さんと話を終えると、わたしはすぐにテレビ局を立ち去った。撮影の見学も、すっぽかした。


一刻も早く、ひとりになりたかった。


ひとりでゆっくり、考えたかった。



『廉に、関わらないで欲しいんだ』



−−−あの、言葉。



伊達さんから告げられた、あの言葉は、

想像以上に、わたしの胸に突き刺さった。


テレビ局の建物沿いに、トボトボと歩く。



………よかったじゃん。

『関わるな』って、言われて。

せいせいするよ。

あんな、傲慢アイドル野郎、

こっちから願い下げだっつーの。



.

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