《MUMEI》

.


それからしばらく、


廉は、学校を休んだ。



取り巻きたちが話している内容によれば、



『LE FOU』は、これから大規模なコンサートを控えているらしく、

そのレッスンや、関連する仕事で、メンバーは大忙しらしい。

彼女たちが興奮した声で喧しく話しているのを、耳にした。


楽屋で廉に言われた、


『また あとで』の、言葉。


あの言葉の続きを聞けないまま、

時間だけが、流れていた。



………わたしは、もう、関係ないけど。



冷めたことを考えていると、

晃が声をかけてきた。


「仁菜のこと、呼んでるよ」


教室のドアの方を指さしながら、そんなことを言う。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫