《MUMEI》 仲元くんというひと. わたしがゆっくり視線を流すと、 ドアのところに、背の高い男の子が立っていた。 見たことがない。名前も知らない。 たぶん、他クラスのひとなのだろう。 彼はわたしと目が合うと、ニコッと笑いかけてきた。その馴れ馴れしい態度が、どこか鼻につく。 わたしは晃に視線を戻し、だれ?と尋ねると、彼は首を傾げた。 「確か、バスケ部の仲元くん、だったと思うけど…」 曖昧な答えをいただいた。 ………仲元くん?? 知らない。 今度は、わたしが首を傾げる。 「バスケ部に知り合いなんていないけどな」 不思議に思っていると、晃はため息をついた。 「…どーせ、『いつものこと』でしょ?」 なにかを匂わせるような発言に、わたしは眉をひそめる。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |