《MUMEI》 「七生君はもっと粗暴だと思っていたよ。」 便所の扉を開けるとマロージャーが居た。 「酷い、俺は尽くすタイプなのに。」 二郎には常に笑顔で居てほしい。 「木下君や君の感覚は若者の柔軟さがある、私は頑固だからすぐ受け入れられないだろう。 是清もそうなんだ、なんでもすぐ適応してしまう……衝突もするだろうが、君達の可能性に賭けていいかな。」 マロージャー……それが言いたかったのか。 「マロージャー好きだ!」 認めてくれた喜びで思わず抱擁。 「君、木下君というものが居ながら……っ」 「いやよいやよも……だよな!スキスキ!」 拒まれるところ、無理矢理に抱擁続行。 「馬鹿が移る……ジローに言ってやろ。」 律斗が一人、その様子を報告しに行こうとしたのでマロージャーが止めた。 「帰ってきたら"ただいま"って言いたくなるような家族になりたいんだ。俺とじろーの夢ね。」 今、少しずつ実現している夢だ。 前へ |次へ |
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