《MUMEI》
a promise
それから…
約一週間が過ぎた…



高総体が始まる部活もちらほらと現れ始め、


既にその3年間の部活動に終止符を打つ生徒も出ていた。


そして…


いよいよハンド部も高総体前日となり、


この日、


大会前最後の練習を行っていた。
















「さてと…
じゃあそろそろ締めに入ろうか。」



「うっす!!」



「20分ゲーム1本やって終わろう。


今日はミーティング長くなるし、


疲れも残したくないから外練はなしで。」



「やったぜッ!!!」



「あ、沖は別だよ?」



「何でッ!!?」



「あははははッ!!」















全員の表情は明るかった。


しかし、


心の中では誰しもが思っていた。













『明日負ければ全てが終わる』













楽しかった日々も、


これで終わってしまう。


この日々をもう少し…


もう少しだけでも長く続ける為には、


彼らは優勝して全国大会に進むしかない。


もう少し…


もう少し…


失いかけて初めて気付く。


この日々の尊さ…


失いたくない。


もう少しだけ…













クロがコーチになり、


伝えようとしたこと。


それは言葉にしなくとも、


彼らにはしっかりと伝わっていた。

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