《MUMEI》

ギィッ…



「すげ…」



「圧倒されんなバカ。」



「だぞ。」



「こいつら全員倒さなきゃ俺たち笑い者なんだからな。」














高総体第一会場。
県営武道館。














「荷物どこ置きます?」



「あ?


開会式終わったらすぐ移動だろ?


どこでもい〜よ。」



「…それもそうすね。」



「つ〜かクロさんは?」



「あれ?」



「いね〜な。」



「誰か電話しろ。」



「もしかしてもう県総合行った?」



「有り得るな。
まず電話かけろって。」



「あぁんだな。」













クロたちがダッシュで向かう中、


赤高の選手たちは一足先に県営武道館に到着していた。


まだ全チームが到着していないとはいえ、


女子も合わせるとさすがにその数は圧巻。


市民体とは規模の違う大会であることを再認識させられた。













「クロさん出ね〜ぞ。」



「まだ寝てたりしてな。」



「ギャハハハハ!!
さすがにそれはないっしょ。」



あながち間違ってもいなかった。

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